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人間解体 / クラフトワーク : エル・リシツキー | ジャケットデザイン

Man Machine Man Machine
Kraftwerk

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このアルバムのジャケットのアートワークはカール・クレフィッシュであるが、アルバムのクレジットに明記されているようにエル・リシツキーのデザイン思想に強く影響にされている。

20世紀前半に活躍したロシアの構成主義デザイナーであるエル・リシツキーはタイポグラフィーやフォトボンタージュを巧みに用いたデザインで、現代のグラフィックデザインの基礎を築いたような人物である。彼の主な作品には『赤のくさびで白を打て』や『From Two Quadrants』など、白と黒と赤の三色を用いた作品や、ペリカン・インキ社のための一連のポスターに見られるような写真を加工して作られた作品などがある。

このクラフトワークの『人間解体』のアートワークには、そのようなリシツキーのデザイン的な特徴を周到して作られている。構成主義的な斜めのレイアウト。白黒赤の三色によるカラーリング、写真は部分的に背景色の赤色やタイポグラフィで用いられている黒色と同じ色で塗られ、厳格なトーンマナーを維持させている。また、この着色により、塗られずに残された元の写真が人工的に作られた部分との対比をなし、クラフトワークの電子音楽をオーバーラップさせるかのように無機質なものと有機的なものをバランスよく表現している。

このアルバムを聴きながらジャケットを眺めていると、クラフトワークの音にリシツキーの思想が隠されているような気がして面白い。

Inspired By
Artwork
  • Karl Klefisch
Photography
  • Günter Fröhling
参考サイト
発表
1978年 5月

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