Musu BoreのRENさんに紹介されて知った展覧会。二匹のウサギと一本のキノコのイラストがかわいい案内葉書には「銀塩フィルム35mm/6×6を使用し、モノクロ写真は、自ら印画紙に紙焼きしています」とあるので、こだわりのある写真好きな三人と想像する。作者と作品の両方が気になる展覧会。
- 会場
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- 会期
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- 2013年8月28日(水)~2013年9月2日(月)
- 休館日
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- 開館時間
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- 観覧料
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- 参考サイト
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優れた芸術家は独自の哲学や思想をもっているものである。日本の写真文化を牽引してきた篠山紀信さんも、そんなアーティストの一人だと思う。
この雑誌で篠山紀信さんは「写真力」をキーワードに、自らの思想を展開している。そのどの言葉にも説得力があり、この言葉自体が言霊となって「力」そのものを表してる。ここには聖なるものの降臨が感じられ、そのまま篠山紀信さんの魅力となっている。
プロのカメラマンは誰しも、写真の重要な三要素である「フォーカス」「構図」「露出」を絶妙なバランスで写しとるスキルを持っている。しかし、プロでない者でも、偶然プロに劣らない「いい写真」が写ることがある。篠山紀信さんの「写真力」を紐解くと、スキルを持って撮ることと、偶然写ることとの違いが大きい事を思い知らされる。「被写体へリリスペクト、その場の空気を正しく読み、自分の感性を最大限にヒートアップさせる」という篠山紀信さんの言葉にプロとしての力強いパッションを感じた。
- 公式サイト
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- 出版社
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- 参考サイト
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- 発売日
- 2012年9月25日
日本を代表する写真家である鋤田正義さんの写真集で、2012年8月に東京都写真美術館で開催された『鋤田正義展』の公式展覧会図録。
デヴィッド・ボウイ(David Bowie)の『ヒーローズ(Heroes)』やYMOの『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー(SOLID STATE SURVIVOR)』、土屋昌巳の『RICE MUSIC』などのジャケット写真も素晴らしいけど、メンズ・アパレル・ブランドの『JAZZ』のアートワークにも感動させられる。
映画好きである鋤田さんの写真にはドラマがある。動画のような動きはない写真に、流れるような躍動感とそのヴィジュアルに相応しい音が感じられる。この写真に生命を吹き込む術を、鋤田さんは持っている。そんな気がした。
ロックを中心に文化を愛する人にとって愛すべき一冊。
- 公式サイト
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- 参考サイト
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- 出版社
- parco publishing
- 発売日
- 2012年8月
ニューロマンティックの先駆的バンドであるヴィサージ(Visage)の二枚目のスタジオ・アルバム。今まで、かっこいい写真だな、と思いながらこのレコードを聴いていたが、裏面のクレジットを見ると、写真はヘルムート・ニュートン(Helmut Newton)が撮影していた。スティーヴ・ストレンジのインタヴューにもあるように、スティーヴ・ストレンジはヘルムート・ニュートンの写真が気にいっていたらしく、シングルカットされた『The Damned Don’t Cry』のジャケット写真も彼によるものである。
そして、ヘルムート・ニュートンの名前の下には、Presentationとしてピーター・サヴィル(Peter Saville)の名前がクレジットされており、続けて、彼の所属していたGrafica Industriaもクレジットされている。ピーター・サヴィルは彼特有のセンスでヘルムート・ニュートンの写真を最大限生かすレイアウトに心掛けているようで、このジャケットデザインには余分な要素が一切無い。しかし、精錬された空白の取り方、書体の選択やバランスはこのデザインの品格と調和を作っている。
ヘルムート・ニュートンとピーター・サヴィルという豪華な顔ぶれで作成されたこのジャケット・アート。あらためて、スティーヴ・ストレンジのこだわりと、センスの良さを実感させられた。
- Photography
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- Presentation
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- Photography (Inner sleeve)
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- Steves’ clothes
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- Hair
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- 参考サイト
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- 発表
- 1982年3月
ライブ撮影をするときのいい刺激になりそうです。
以下、公式サイトより抜粋
2010年に東京(RUDE GALLERY)と京都(Fabulous)で開催され合わせて2000人を超える来場者を記録した写真展『ROLLIN’ BABY IT’S ALRIGHT 』から2年、激動の2011年の日本を駆け巡り-The Birthday I’M JUST A DOG TOUR’11-に密着し撮影したライブステージ、バックヤード、オフショットなど今にもロックンロールが頭の中に響き渡りそうな写真の数々を展示致します。写真から聞えて来る音をあなたの眼で感じて下さい。写真界に風穴を開けにパーティーがまた始まる、狂乱の写真展が再び。
- 公式サイト
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- 会場
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- 会期
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- 2012年8月22日(水)~2012年9月2日(日)
- 休館日
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- 開館時間
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- 水曜~金曜:正午~午後8時
- 土曜・日曜:正午~午後7時
- 最終日は午後5時まで
- 観覧料
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- 参考サイト
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日本でのロック写真の第一人者である鋤田正義さんの展覧会。デヴィッド・ボウイやYMOなど数多くのミュージシャンを撮影したり、VANやBIGIとならぶメンズブランド「JAZZ」のシュールな広告写真も手掛けるなど、筆者にとって憧れの人です。鋤田さんは、光と影を巧みに操りながら感性で写真を撮り続けている。今回の催しでそのことを再確認したいです。
以下、公式サイトより抜粋
デヴィッド・ボウイが冷戦下のベルリンで録音した名盤『LOW』に収録された「SOUND & VISION」を冠した本展は、1970年代から現在までボウイと深い信頼で結ばれてきた鋤田正義の全仕事を、300点以上の作品から俯瞰する回顧展です。
常にカルチャーと並走し、自らシーンに入り込んで撮影された写真の数々。それらは時代の記録であるとともに、時代を超えるパワーと、ボウイが「SOUND & VISION」で示唆した”驚き”に満ちています。
- 公式サイト
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- 会場
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- 会期
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- 2012年8月11日(土)~2012年9月30日(日)
- 休館日
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- 開館時間
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- 観覧料
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- 一般 800(640)円
- 学生 700(560)円
- 中高生・65歳以上 600(480)円
- ※( )は20名以上団体および東京都写真美術館友の会、当館の映画鑑賞券ご提示者、上記カード会員割引
- ※小学生以下および障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料/第3水曜日は65歳以上無料
- 参考サイト
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猫派か犬派かと問われれば、どちらでも好きだし、哺乳類、爬虫類問わず、生き物は好きで動物園も好みの場所である。
『猫除け詩集』という題名を見たとき、「猫じゃらし詩集」と誤って読んでしまった。子供のころは、よく猫じゃらしで遊んだ。冷え性の者にとっては、動物の尾っぽに似たあの暖かそうな花穂が心をホカホカと温めてくれる。
古畑智子さんによる写真は詩の添え物というより、詩の文字と写真あわせて詩集となっており、切り離せない関係をなしている。そして、さとうゆきさんの詩が持つ柔らかい文体の中にも哲学的で宗教的な空気感により、写真に映し出された猫たちが神父や僧侶、思想家に見えてくる。何とも不可思議な感覚がこの詩集には漂っている…。
猫じゃらしで猫と戯れたくなる一冊。
- 著者
- さとうゆき
- 写真
- 古畑智子
- 出版社
- 創樹社
- 発売日
- 2000年7月25日
ケイト・ブッシュの6枚目のスタジオ・アルバムで、作品のクオリティもセールス良好だった。参加したメンバーもブルガリアン・ヴォイスの三人やヴァイオリニストのナイジェル・ケネディ、そして今は亡き伝説のベーシストミック・カーンと異色のミュージシャンたちがクレジットされている。
モノクロの写真のポートレートが印象的なこの写真を撮影したのは、ケイト・ブッシュのお兄さんで作家であり写真家のJohn Carder Bush。写真家として彼の作品は多く見られないが、この『The Sensual World』のジャケット写真は素晴らしい。薔薇の花で隠されたケイト・ブッシュの口元が、彼女のセンシティブな部分を表現し、見開いた目はフランスの詩人アルチュール・ランボーのような見者の勇気を彷彿とさせる。この力強さと内に秘めた優しさは、薔薇のように美しく刺々しい。
John Carder Bushの写真に金色でアルバムタイトルとアーティスト名が上品なデザインフォントで配置されたデザインは、このとてもシンプルな構成により、このポートレートを引き立てている。これは、数多くのアルバムジャケットを手掛けているBill Smith Studioによるもので、その完成度の高さが頷ける。
- Photography
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- Design
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- 参考サイト
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- 発表
- 1989年10月16日
ヴォーカルであるシャーデー・アデュの甘美な写真を前面に押し出し、余分なものをそぎ落としたデザインが印象的なシャーデーの四枚目のアルバム。至高の愛に生身の体以外に何もいらないことを、このジャケットは僕たちに再認識させてくれる。
この写真を撮影したのは、スコットランド出身の写真家アルバート・ワトソン。GQ、ハーパースバザーやヴォーグなど数多くの著名な雑誌で活躍している彼のポートレート写真には、被写体の人格がおもむろに表れている。内面的に物静かな人、神秘的な人、心優しい人、快活な人、内に野心を秘めた人…。その人それぞれの内面が彼のポートレート写真を見ると伝わってくる。この『Love Deluxe』のジャケット写真も、そんな彼の写真の一枚である。
甘美的な姿に秘められた躍動感みなぎる静寂な情熱が、アルバート・ワトソンの写し撮ったシャーデー・アデュから感じられる。そして、この写真はこのアルバムに収められた曲そのものを、僕たちに目に見える形で伝えてくれている。
- Photography
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- Design
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- 参考サイト
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- 発表
- 1992年11月11日
写真家の権利と自由を守り、主張することを目的として設立された写真家の集団「マグナム」。1947年に創設されているので今年で65周年を迎える。これを記念して創設者の一人アンリ・カルティエ=プレッソンをはじめ、エリオット・アーウィット、ジョナス・ベンディクセンら68名の作品をコンタクトシートと共に展示されている。
以下、公式サイトより抜粋
コンタクトシートとは、撮影画像の一覧で、ベタ焼きとも呼ばれています。撮影者の記録として、編集のツールとして、ネガを保管する為の索引として使用されてきたものです。各写真家が、あるイメージをどのように構築し、どのように最高の一枚を選び出したかが、コンタクトシートに記録され、写真家独自のアプローチが明らかになります。コンタクトシートを介して、最終的に選ばれた作品を閲覧すると、写真家と共に歩き、彼らの目を通して見るような舞台裏の感覚を与えてくれます。彼らの作業工程をも存分に味わっていただけることでしょう。
- 公式サイト
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- 会場
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- 会期
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- 2012年4月4日(水)~2012年4月29日(日)
- 休館日
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- 開館時間
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- 観覧料
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- 参考サイト
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