ひたひた / 睡蓮 : 小松孝英 | ジャケットデザイン
ひたひた 睡蓮 tearbridge 2008-06-18 |
アルバムタイトルもアーティストのクレジットも印字されていないジャケットデザイン。小松孝英さんの原画を前面に打ち出そうとした意図もあると思われるが、あえて文字要素を入れ無いことに「空」の美学を感じる。
「空」という言葉を論じるときに、仏教の経典『般若心経』の一節「色即是空 空即是色」がよく引き合いに出されるが、この言葉に表されているように「無い」ことによって「在る」という因果を知らされる。そして、小松孝英さんの作品は「空」の思想によくマッチしている。
背景に敷き詰められた障子を連想させる格子状の模様は、前面に銀色のインクが用いられているが、その色は燻し銀のような趣で風情を感じる。この格子模様から垣間見られる水面には満月が映し出され、水辺の所々に生えている羊歯が、写実的に描かれた蝶に幻想的な雰囲気を与えている。水面に浮かぶ獣の白骨と水面に映し出されたように見える三重の輪で表された花びらのような模様は、何を意味しているのだろうか。
このアルバムのジャケットは四つ折り観音開きになっているけど、全て見開いて鑑賞することをお勧めしたい。
- Cover Artwork
- Photography
-
- 北岡一浩
- Hair&Make-up
-
- 高橋カオリ(Cuna)
- Design
-
- 相川 志津和(avex marketing inc.)
- Creative Coordination
-
- 上田直樹(avex marketing inc.)
- 参考サイト
- 発表
- 2008年 6月18日