2010年の第一弾、2012年の第二弾に続く、日本のロゴ&マーク集シリーズの第三弾。
2010年~2014年までに制作・発表されたCI、VI、ロゴタイプ、マーク、ピクトグラム、およびそれらの作品が使用されている実例写真もあわせて掲載しています。
360人のクリエイターが手掛けた、約910社の1150作品!!
ボリューム、内容ともに充実の一冊です。
※以上、公式サイトより抜粋
192ページに、オオニシが手掛けた紅麗威のロゴが掲載されています。
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- 出版社
- 株式会社アルファ企画
- 発売日
- 2015年6月13日
韓国で人気の芸能雑誌といえば『JUNIOR』だけど、この『FAST』のほうがファッショナブルで、韓国のリアルな文化を紹介してくれているように思う。
デザインの基本をしっかりと守り、それを土台にレイアウトされた紙面には作り手の熱い思いも伝わってくる。それは大金を払って作られるアメリカ誌のクオリティより、資金面で有利になれないが故にデザインアイデアで勝負するイギリス誌のクオリティに近い。今号のカバーは韓国の俳優でミュージシャンのNo Min Wooで、彼を起用したシューティングのページも含めて、ハングルが読めなくても写真を見ているだけも楽しめる。『FAST』のような韓国の良質な雑誌を見ていると、ハングルという文字はグラフィカルなデザインに相応しいと思えてくる。
韓国では毎月発行されいる『FAST』の日本版が第一号しか出版されていないことは残念である。『FAST』のような質の高い雑誌をもっと多くの人に見てもらいたい、と思った。
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- 出版社
- PLAYS MEDIA
- 発売日
- 2012年11月5日
優れた芸術家は独自の哲学や思想をもっているものである。日本の写真文化を牽引してきた篠山紀信さんも、そんなアーティストの一人だと思う。
この雑誌で篠山紀信さんは「写真力」をキーワードに、自らの思想を展開している。そのどの言葉にも説得力があり、この言葉自体が言霊となって「力」そのものを表してる。ここには聖なるものの降臨が感じられ、そのまま篠山紀信さんの魅力となっている。
プロのカメラマンは誰しも、写真の重要な三要素である「フォーカス」「構図」「露出」を絶妙なバランスで写しとるスキルを持っている。しかし、プロでない者でも、偶然プロに劣らない「いい写真」が写ることがある。篠山紀信さんの「写真力」を紐解くと、スキルを持って撮ることと、偶然写ることとの違いが大きい事を思い知らされる。「被写体へリリスペクト、その場の空気を正しく読み、自分の感性を最大限にヒートアップさせる」という篠山紀信さんの言葉にプロとしての力強いパッションを感じた。
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- 発売日
- 2012年9月25日
日本を代表する写真家である鋤田正義さんの写真集で、2012年8月に東京都写真美術館で開催された『鋤田正義展』の公式展覧会図録。
デヴィッド・ボウイ(David Bowie)の『ヒーローズ(Heroes)』やYMOの『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー(SOLID STATE SURVIVOR)』、土屋昌巳の『RICE MUSIC』などのジャケット写真も素晴らしいけど、メンズ・アパレル・ブランドの『JAZZ』のアートワークにも感動させられる。
映画好きである鋤田さんの写真にはドラマがある。動画のような動きはない写真に、流れるような躍動感とそのヴィジュアルに相応しい音が感じられる。この写真に生命を吹き込む術を、鋤田さんは持っている。そんな気がした。
ロックを中心に文化を愛する人にとって愛すべき一冊。
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- 出版社
- parco publishing
- 発売日
- 2012年8月
猫派か犬派かと問われれば、どちらでも好きだし、哺乳類、爬虫類問わず、生き物は好きで動物園も好みの場所である。
『猫除け詩集』という題名を見たとき、「猫じゃらし詩集」と誤って読んでしまった。子供のころは、よく猫じゃらしで遊んだ。冷え性の者にとっては、動物の尾っぽに似たあの暖かそうな花穂が心をホカホカと温めてくれる。
古畑智子さんによる写真は詩の添え物というより、詩の文字と写真あわせて詩集となっており、切り離せない関係をなしている。そして、さとうゆきさんの詩が持つ柔らかい文体の中にも哲学的で宗教的な空気感により、写真に映し出された猫たちが神父や僧侶、思想家に見えてくる。何とも不可思議な感覚がこの詩集には漂っている…。
猫じゃらしで猫と戯れたくなる一冊。
- 著者
- さとうゆき
- 写真
- 古畑智子
- 出版社
- 創樹社
- 発売日
- 2000年7月25日
スマートフォンが急速に進み、HTML5も多くのブラウザが対応するようなったことで、ワンソースで全デバイスに対応したページを作りたいと思っている人は多いと思う。そして、ネット上のいろんな情報を参考にしながら、CSSやJavaScript、CGIを巧みに使って、試行錯誤しながら作っていることだろう。
この書籍はワンソースで全デバイスに対応したページが表示されるように作る「レスポンシブ・ウェブデザイン」について、その情報をきれいに整理して書かれている。そして、この本のいいところは、技術的な手法だけでなく、レスポンシブ・ウェブデザインでサイトを制作するにあたっての進め方まで記載されていることである。実際に、技術的な面も重要だけど、設計段階で熟慮して進めることも大切で、これを怠ると、そのサイトは不良品というレッテルを押されることになる。余談だが、緻密にレイアウト設計し、的確な技術で実装しても、出来上がった制作物にデザイン的な魅力が無くては駄目だと思う。そんな中、カネボウ化粧品のサイトは素晴らしい(2012年6月)と思った。
この書籍の「はじめに」で書かれている「スマートフォンやタブレット端末の登場により、今Webの世界が変わろうとしています。これまでインターネットに接続しWebサイトを閲覧可能だったPCや携帯電話だけを相手にすればよい時代は、いよいよ終わりを告げるかもしれません。」という冒頭の一文は、制作の現場でスマートフォンサイトの案件が増えていることを考えると、そのまま現実になっているようである。
2012年度において、Webデザインに関してためになる一冊。
- 公式サイト
- レスポンシブ・ウェブデザイン標準ガイド
- 著者
- こもりまさあき – gaspanik weblog
- 出版社
- 株式会社エムディエヌコーポレーション
- 発売日
- 2012年5月25日
2009年10月に自らの命を絶った、加藤和彦さんの特集。
きたやまおさむ、高橋幸宏、小原礼、小田和正、細野晴臣、サエキけんぞう・・・親しい友人たちの特別な思いが語られているけど、中でも立花ハジメさんによる詩のような追悼文が印象的でした。サディスティック・ミカ・バンドのファーストアルバムのジャケット・デザインを手掛けた「WORKSHOP MU!!」でのエピソードが書かれていたりして、思い出話が中心だけど、ここには筆を進めることが辛そうな文面に、目に見えない悲しい心が表れている。「孤独」「不毛」「不条理」。「世の中は音楽なんて必要としていない」という遺書の一文にも見られるように、これらの言葉は、加藤和彦さんのメランコリックな作品の闇の部分を表現するキーワードとなっている。
この本に掲載されている加藤和彦さんのエッセイ『Dear an audience』に聖なるものに関する記述がある。
「二度とないもの、起こらないものにこそ、聖なるものが宿り、そこになにかが生まれる」
偶然と幸運によって成り立っている創造力が持続できなくなったとき、アーティストは悲劇的な結末を迎えざるを得ないのであろうか。
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- 出版社
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- 参考サイト
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- 発売日
- 2010年2月25日
大好きな写真家の一人リンダ・マッカートニーさんの写真集。ビートルズは勿論、ローリング・ストーンズ、ジミ・ヘンドリックス、ドアーズなど、著名なミュージシャンたちがこの本の中には収められているが、そのロックな姿とは裏腹に優しい感じのする絵作りになっている。写しだれた構図と陰影、そして時間、それらが美しい調和をなしていて、気品が感じられる。
写真撮影をライフスタイルの一つにしている人にとって重要な一冊。
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- フォトグラフ
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- 出版社
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- 発売日
- 2011年6月
7月9日に他界された青葉さんの『スリージーブックス 世界のグラフィックデザインシリーズ22』です。この本を眺めていると、エコロジーや平和を見つめ直し、グラフィックデザインが持つチカラを感じ取ることができます。良質のデザインで社会に訴え続けた青葉さんの作品には、影響させられることも多く、パワーを与えてくれる。
グラフィックデザイナーにとって重要な一冊。
- 著者
- 青葉 益輝
田中 一光
- 出版社
- トランスアート
- 発売日
- 1995年11月
ウェブスタンダード(ウェブ標準)という言葉もてはやされから月日は経っているし、2011年の今では、まだW3Cによって勧告もされていないHTML5関連の書物も出回り、時代の移り変わりを予感させられる。
そのような中、XHTMLとCSSについて解説されたこの本を読む意味があるのか?「今更、Web標準の基本とCSSレイアウトなんて」と、思っている人にこそ、この書物は重要であると思う。世界的に有名な大企業のリリースしているWebサイトを見ていると、「Web標準」を流行ビジネス用語の一つとして上辺だけのセールス文句にし、簡単なWebサイトも作れないWebプロデューサと専門知識をもっているスタッフを窓口に置かないクライアントとの合作があふれている。粗末なWebサイトが、その企業の体質となって、ニュースになるようなビジネス上での不祥事としてあらわれているのではなかろうか。
この本には、誠実で良質な解説でHTMLおよびCSSコーディングの基本(基礎)が書かれているので、次のHTML5に移行する際にも役に立つだろう。個人的なスタイルでWebを制作していることに不安や疑問を持っているなら、この本を素直に受け入れると、基礎が身につき、真の応用を見つけられると思う。
Web業界にかかわる人にとって必読の一冊。
- 著者
- 市瀬 裕哉、福島 英児、望月 真琴
- 出版社
- 技術評論社
- 発売日
- 2008年11月29日