韓国で人気の芸能雑誌といえば『JUNIOR』だけど、この『FAST』のほうがファッショナブルで、韓国のリアルな文化を紹介してくれているように思う。
デザインの基本をしっかりと守り、それを土台にレイアウトされた紙面には作り手の熱い思いも伝わってくる。それは大金を払って作られるアメリカ誌のクオリティより、資金面で有利になれないが故にデザインアイデアで勝負するイギリス誌のクオリティに近い。今号のカバーは韓国の俳優でミュージシャンのNo Min Wooで、彼を起用したシューティングのページも含めて、ハングルが読めなくても写真を見ているだけも楽しめる。『FAST』のような韓国の良質な雑誌を見ていると、ハングルという文字はグラフィカルなデザインに相応しいと思えてくる。
韓国では毎月発行されいる『FAST』の日本版が第一号しか出版されていないことは残念である。『FAST』のような質の高い雑誌をもっと多くの人に見てもらいたい、と思った。
- 公式サイト
-
- 参考サイト
-
- 出版社
- PLAYS MEDIA
- 発売日
- 2012年11月5日
パントン社による2013年春のファッションカラーのタイトルは『The Balancing Act』。このタイトルから1970年代に活躍したロックバンドであるスーパートランプのアルバム『…Famous Last Words…』を思い出しました。勿論、このアルバムと2013年春のファッションカラーとは何の関係もないけど、このアルバムジャケットの色使いは、パントン社が提案している2013年春のファッションカラーとかぶってます。
2013年春のテーマは、綱渡りのようなバランス。鮮やかな黄緑色や灰色のヒスイ、静かな緑、洗練されたエメラルドなどの陽気な爽やかさを持った色のミックスや、アフリカバイオレットとポピーレッドや、レモンゼストとシトラスオレンジなどの威勢のいい組み合わせ。そして、ポピーレッドとリネンとモナコブルー、またはモナコブルーとエメラルドに見られる安定性と深さの両方を兼ね備えた古典的な色合い。パントンカラー研究所の理事が「光と明るさ、古典と新しいの間のバランス」と呼んでいる個性的で、自己表現と刺激をもたらすユニークな組み合わせが多い。
筆者は
『…Famous Last Words…』を聴きながら書き綴っているが、このアルバムに収められた大ヒット曲
「It’s Raining Again」は春の雨を連想させるいい曲だとあらためて思った。
- 参考サイト
-
日本でのロック写真の第一人者である鋤田正義さんの展覧会。デヴィッド・ボウイやYMOなど数多くのミュージシャンを撮影したり、VANやBIGIとならぶメンズブランド「JAZZ」のシュールな広告写真も手掛けるなど、筆者にとって憧れの人です。鋤田さんは、光と影を巧みに操りながら感性で写真を撮り続けている。今回の催しでそのことを再確認したいです。
以下、公式サイトより抜粋
デヴィッド・ボウイが冷戦下のベルリンで録音した名盤『LOW』に収録された「SOUND & VISION」を冠した本展は、1970年代から現在までボウイと深い信頼で結ばれてきた鋤田正義の全仕事を、300点以上の作品から俯瞰する回顧展です。
常にカルチャーと並走し、自らシーンに入り込んで撮影された写真の数々。それらは時代の記録であるとともに、時代を超えるパワーと、ボウイが「SOUND & VISION」で示唆した”驚き”に満ちています。
- 公式サイト
-
- 会場
-
- 会期
-
- 2012年8月11日(土)~2012年9月30日(日)
- 休館日
-
- 開館時間
-
- 観覧料
-
- 一般 800(640)円
- 学生 700(560)円
- 中高生・65歳以上 600(480)円
- ※( )は20名以上団体および東京都写真美術館友の会、当館の映画鑑賞券ご提示者、上記カード会員割引
- ※小学生以下および障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料/第3水曜日は65歳以上無料
- 参考サイト
-
パントン社による2012年秋のファッションカラーは、スモーキーなピンクや紫、そしてチタンを連想させるグレーなどの落ち着いた感じの色など、パントンカラー研究所のエグゼクティブ・ディレクターが「多目的な中間色」と呼んでいる実用的でバランスのとれた色合いが多い。
2012年のテーマカラー「マンダリンオレンジ」もこのシーズンの提案色の一つ。この他にも、赤紫がかったピンクや明るい黄緑色など遊び心のある元気な色と組み合わせて、魅惑的な装いを提案している。
- 参考サイト
-
パントン社が提案する来年のテーマカラーは「赤みがかったオレンジ」だそうです。パントン社の色番では、「Pantone 17-1463 Tangerine Tango」。
タンジェリンと言えば、ビートルズのアルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』に収められている曲「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」(Lucy in the Sky with Diamonds)を思い出す。この曲に「tangerine trees and marmalade skies」という歌詞があるが、とてもサイケデリックかつシュールで印象深い。ちなみに、このフレーズはドイツのバンド「タンジェリン・ドリーム」の名前の由来にもなっている。
タンジェリンはマンダリンとよく似ているが、ウィキペディアによると、「マンダリンとタンジェリン(英: Tangerine)は植物学上は同一分類のCitrus Reticulata種に属し、成熟した果実の果皮の色が黄色~橙色のものをマンダリン、橙色~赤色のものをタンジェリンと呼ぶ。」とあり、並べてみるとその色差がわかる。
「洗練されているが、同時に劇的で、誘惑的」なこの色が、2012年をタンゴのように情熱的で活気のある一年にしてくれるといいな。
- 参考サイト
-
ファッション誌の編集部を舞台にした映画『プラダを着た悪魔』の中で、青色がピックアップされるシーンがある。
「2002年にオスカー・デ・ラ・レンタがその色のソワレを
サンローランがミリタリージャケットを発表。
セルリアンは8つのコレクションに登場。
たちまちブームになり
全米のデパートや安いカジュアル服の店でも販売され
あなたがセールで購入した。」
フストリープ扮する編集長が、主人公であるハサウェイの着ていたブルーのセーターをとりあげプレタポルテと量販物との関係を話す内容は、この映画の見せ場の一つである。またこの映画には、ハサウェイがまず靴からおしゃれを始めるというシーンなど、基本を重んじる欧米文化の特徴が要所に垣間見られる。ファッションであれグラフィックであれ、欧米のクリエーターの多くは基本に忠実で、学校で教えられたとおりにことを進める。ファッションも含めてデザインには意味があり、カラー選定も例外なく、基本にそって、何らかの意味をもって決定される。一見、感覚や気分で働いているように見える彼らの仕事は、多くの場合基本という裏付けがなされている。
さて、この「青いセーター」のシーン。「流行は滝のごとく上から下へと流れる」というフランスの社会学者 J.G.タルドの言葉を踏まえて脚色したのだろう。たしかに、20世紀までは、ハイ・ファッション・カラーが多くの人たちに受け入れられてファッション・カラーとなり、それが定着してスタイル・カラーになっていた。しかし、昔と違い洋服の生産期間が各段に短くなった2000年以降、売れ筋の色はマーケットが決めるようになった。つまり、量販物は必ずしもプレタポルテからつながらなくなり、実際に市場で売れた結果をみながら投入するので、プレタポルテで提案された色が市場に出回るとは限らない。ちなみに、この映画が放映された2006年の一年前2005年に「ターコイズ」が流行りました。
とはいえ、カラー選定が重要なことにはかわりない。ストリープが映画の中で口にしていた「ターコイズ」「ラピスラズリ」「セルリアン」の色は同じ「ブルー」というカテゴリで括られるけれども、それぞれ違った色であり精神に与える影響も異なる。そして、ファッションの場合、このカラー選定でその商品の売上が(場合によっては億単位で)変わるし、グラフィックの場合もファッションと同様に、カラー選定が市場に大きな影響を与えることがある。コンピューター・グラフィックが主流となるにつれて、色見味にかんしては往々にして後回しにされがちになり、その場、その時の感覚でカラー選定をしてしまうことが多くなった。時間的な制約もあり、ついつい流しがちに仕事をしていることを反省しなければならないと思った。
生産技術が進歩し、マーケティングの手法が進化した現在、多くのブランドがマーケティングから導きだされた情報をビジネスに活用している。マーケットを意識して選び出されたトレンドカラーは、何気なく街中にあり、ブランドものの服を身に付けていなくても、トレンドカラーを意識した服を何気なく購入している。そして、生活の基にある文化自体が色彩と大きな関わりをもっていて、「神の見えざる手」で僕たちの生活を既定している。
ライフスタイルの中に「美」をうまく取り入れると、人生が楽しくなる。そんなことを再認識させられました。
そして、あくまでも適度にバランス良く「美」を取り入れて、決してドリアン・グレイみたいにならないように気をつけないといけないことも。
各章に付けられたアフォリズムにも教訓を得るものがあったので、幾つかを抜粋。
- 詩人/ジョージ・メレディス「才気あふれる女性は宝である、才気あふれる美は力である」
- スーパーモデル/クリスティ・ターリントン「内面から輝くような、真に健康な肌を手に入れることが、常に私にとってのゴール。自分がいちばん美しいと感じられるのは、肌に自信があるときです」
- ヘイル・クリニック/テレサ・ヘイル「自分の体を愛しましょう。愛するということの中には、手入れをすることも含まれます」
「美」に興味のある人なら持っていたい良書。
著者
ジュリエット・コーエン
監修
山野愛子ジェーン
翻訳
井口智子
出版社
ガイアブックス
発売日
2008年8月5日
リーマンショック以来、未だに景気回復が実感できない2010年。世間的には財布のひもは固く、サマー・セールの売り上げも良くないと聞く。次の秋物は賢い買い物でオシャレをしたい。そんな気分です。
以下、ヴォーグのポータルサイト『Style.com』より意訳。
1. フレアーパンツ
90年代が全く間に過ぎて、脚を長く見せるためのフレアーパンツが戻ってきた。 バルマンのクリストフ・ドゥカルナンは大胆にももを見せるミニドレスで知られているが、ブーツカットパンツを発表し、トゥラウザースでも才能を発揮した。
2. ベルベット
ベルベットほど触って気持ちのいい素材はない。前途有望なファッションデザイナー、ジョセフ・アルトゥザラは赤い斜めにカッティングされたパンツスーツとコートドレスを見せ、力強い一面をもったファム・ファタルを表現した。
3. キャメル色のコート
ベージュって、退屈な色と思いますか?フィビー・フィロはこの色を昨シーズンから提案しています。彼女のセリーヌ・リゾート・コレクションに始まり、フィビー・フィロはキャメル色のコートを多く披露している。クロエのデザイナー、ハンナ・マックギボンはメンズウエアのようなオーバーサイズのキャメル・コートを見せてくれた。
4. ムートン
ライダース・ジャケットからムートンのジャケットへ。リード クラッコフ自身の初めてのコレクションは魅力的なアウターが沢山見られた。中でも、このバタースコッチ色のレザー・ジャケットは一押し。
5. 手袋
ベーシックな黒い手袋はこの秋は流行らないでしょう。ケイトとローラのミュラヴィー姉妹が手がけるロダルテは芸術的で職人的なステッチを施したハンドメイドのタッティングレースをあしらったドライビング・グローブを見せた。
6. 毛皮のバッグ
グローバルな景気後退なんてこんなものと言わんばかりに、コレクションでは毛皮が例年に比べ多くみられた。マーク・バイ・マーク・ジェイコブスのラム毛皮のバッグはリーズナブルな価格で手に入るものの一つです。
7. 短い、裾をまくったジーンズ
もう1本ジーンズが欲しいと思っている人は、イザベル・マランのカプリ丈のデニムを持っていなければ、一着いかがでしょう。50年代風の先の尖ったパンプス、スタジャン、ゴージャスなピアス、そしてポニーテールにあわせて。
8. 短丈のセーター
ドリス・ヴァン・ノッテンの切りあけた袖口、ルーズなセーターに続き、この秋に絶対必要なのがダウンタウンの人たち御用達プロエンザ スクーラーの短丈のセーターです。
9. ロングスカート
女優のメアリー・ケイト・オルセンと、アシュレー・オルセン姉妹が手掛ける新進ブランド「ザ・ロウ」が新しいロングスカートを発表。ファッション業界に影響力のある二人が行くところには、後に続く者たちが確かにいます。
10. ダブルブレスト
今コレクションではパンツスーツがいたるところで見られたが、その中でもボッテガヴェネタが手掛けたスーツのコストパフォーマンスが高かった。海軍のトマス・マイヤーのようなネイビーのダブルのスーツはシンプルで時代に左右されない一着。
アパレルで仕事をしていた当時、スタイル画のお手本にしようと思って購入した『マーカーで描くファッションイラストレーション』の著者でもある高村是州さんの本。これはアクセサリーのデザイン画のお手本用に買いました。
ファッションデザイナーも絵が上手いほうがいのだけど、そうでない人のほうが多いような気がする。そんな中で、『mistake? by OZWALD BOATENG』でデザイナーをしていた馬場康治さんは素晴らしく絵が上手かった。
学生時代、油絵がメインだったので、イラストが苦手なボクにとっては役に立った一冊。
- 公式サイト
- グラフィック社 書籍詳細
- 著者
- 高村 是州
- 出版社
- グラフィック社
- 発売日
- 1999年1月
フセイン・チャラヤンは1970年生まれのファッションデザイナーで、「ブリティッシュ・デザイナー・オブ・ザ・イヤー」や「大英勲章第五位(MBE)」を受賞しているアーティスト。
フセイン・チャラヤンのコレクションは素晴らしく、彼の近未来的で美しい作品に感心させられます。今回の展覧会でも、クリスタルと15,000個の明滅するLEDでできた純白のドレスや、200個以上の動くレーザー光線が組み込まれた服などが展示される予定です。
- 公式サイト
- 東京都現代美術館|MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO
- 会場
- 東京都現代美術館 企画展示室B2F
- 会期
- 2010年4月3日(土)~2010年6月20日(日)
- 休館日
- 月曜日(ただし5/3は開館、5/6は休館)
- 開館時間
- 午前10時~午後6時(入場は閉館の30分前まで)
- 観覧料
- 一般1,200円(960円)
大学生・専門学校生900円(720円)
中高生600円(480円)
*65歳以上800円(640円)
小学生以下は無料
*( )内は20名以上の団体料金
※写真はフセイン・チャラヤンの作品ですが、この展覧会とは関係ありません。