軍服からインスピレーションを受けてデザインされた洋服は少なくない。例えば、今では当たり前に付いているジャケットの袖ボタンは、ナポレオンの時代に、寒さで出た鼻汁を兵士が袖で拭くのを止めさせる工夫から始まったと言われている。エポーレットや勲章など軍服の特徴はデザインのモチーフとして用いやすいということもあると思う。2010年のコレクションでは、クリストフ・ドゥカルナンによるバルマンのコレクションが素晴らしい。
以下、ヴォーグのポータルサイト『Style.com』より意訳。
2010年春、ミリタリーテイストが多くのコレクションでみられた。(防弾チョッキがレザーの上着に代わってお洒落着となるかも。モデルの普段着みたいに。)
実際に、店頭ではミリタリーテイストの服が売れている。それに挑むように、ドレッシーなファッションに軍服の装飾を用いたデザイナーとして、ハイダー・アッカーマン、アキラーノ・エ・リモンディ、シークインの迷彩レギンスでお馴染みのバルマンのクリストフ・ドゥカルナンがあげられる。
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日本の文豪(谷崎潤一郎、川端康成、三島由紀夫、その他)15人による異色短編集の挿絵を安西水丸氏が描き、「ものがたりのお菓子箱」(飛島書房新社刊)という本になりました。その本の挿絵と、安西氏が独自に描いた作品をシルクスクリーン版画に作成し展示いたします。
安西水丸氏の新作シルクスクリーン展です。是非お出かけ下さい。
- 公式サイト
- http://www.spaceyui.com/schedule.html
- 会場
- 外苑前 スペースユイ
- 会期
- 2010年2月1日(月)~2010年2月6日(土)
- 休館日
- 期間中無休
- 開館時間
- 午前11時~午後7時 ※最終日は午後5時まで
- 観覧料
- 入場無料
20世紀から21世紀に移ろうしていた時代、アパレルでメンズウェアーの企画をしていた時に、マーチャンダイザーを対象にしたコンサルタント会社のセミナーでアルマーニのマーチャンダイジングの話を聞いたことがある。
ジョルジオ・アルマーニはトレロビエラ社やティベルゲン社などが生産するレディースで用いるような打ち込みの甘いドレープ性のある素材を使って、革新的なメンズスーツをデザインし、現代の地位を築いたデザイナーであるけれども、コンサルタント会社を入れてちゃんとブランドビジネスしているビジネスマンでもあった。この時期アルマーニは英国人デザイナーの作品を盗作したとして訴えられていたこともあり、ビジネスがうまくいってなかったのだろう。
コンサルタント会社の話では、アルマーニの配色計画はムーン&スペンサーの色彩調和論を周到したもので、基調色とこの色から左右30°付近にある二色(類似調和)を基本色とし、これら三色に白、黒、グレーを加え展開するというものだった。ちなみに色彩調和論の主なものに
- シュブルールの調和論
- ルードの色彩調和論
- オストワルトの調和論
- ムーン&スペンサーの調和論
- ジャッドの調和論
などがある。
色彩調和理論を鵜呑みにしようとは思わないけど、参考として取り入れるといいと思う。なお、IllustratorCS3以降ではスオッチライブラリーの中にイッテンの色相配色理論である「テトラード」や「トライアド」もあるので活用してみるといいと思います。
そういえば、当時、マックス・マーラーもアルマーニと同じコンサルタント会社を使っていたらしく、カラー展開が似ていた。
印刷の世界では、クォーク4.xで制作された古いデータを使い回していることも多々あり、このようなデータに遭遇した時、フォントとハードウェアーとの関係に悩まされたことを思い出す。
今では、OpenTypeで入稿が多くなってきて、データも扱いやすいけど、昔は作字やフォントの置換をして入稿したり、フォントのエラーでフィルムの出力できなかったりで大変でした。そんなこともあって、この本をよく読んでました。
少し古い本ですが、OpenType、CID、OCF、PostScript、TrueTypeというフォントの基礎知識から、OS、プリンタ、PDF、ユーティリティ、文字コードなどフォントに関する事柄を網羅して、わかりやすく解説してあります。
- 著者
- オブスキュアインク
- 出版社
- 毎日コミュニケーションズ
- 発売日
- 2003年1月
365日、365人、365枚の作品カレンダー。
社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)とハイデルベルグ・ジャパン株式会社はこの度、2010年の日めくりカレンダー「(^_^)365(O_O)」(ハローサンロクゴ)を企画しました。 全国で活躍するグラフィックデザイナー365人が、1人1日ずつデザインを担当。
また、デザインだけではなく印刷技法や紙までも毎日異なるという、他に類を見ない“捨てられない日めくりカレンダー”です。
- 公式サイト
- http://365.jagda.org/jp/
- 仕様
- 15種類の最先端印刷技術/11種の用紙/A5変形/リング製本
- 発売日
- 2009年10月26日
- Twitter
- http://twitter.com/365JAGDA
- 通信販売
- JAGDA オンラインショップ
- iPhone App
- ダウンロード
スポーツウエアーも機能だけでなくアディダスとヨウジヤマモトの「Y’s」やプーマとニール・バレットの「96hours」などファッション性を取り入れたものが多くなってきている。しかし、機能性を保つための制約もあり、思い通りのデザインが出来ないことも多いと思う。機能を考えないで、モチーフとしてスポーツテイストを取り入れたコレクションが、ヴォーグのポータルサイト『Style.com』で紹介されている。
以下、ヴォーグのポータルサイト『Style.com』より意訳。
2010年春、デザイナーたちはアクティブな要素を取り入れていた。
アレキサンダー・ワンは部分的にアメリカン・フットボールをモチーフとしている。プッチのデザイナー、ピーター・デュンダスはスキューバダイビングにインスピレーションを得た、仕事でも遊びでも着れるドレスを見せてくれた。
そして、プロエンザ スクーラーはサーフィンとスケートボードの二つの要素を取り入れて、独自のスタイルを展開していました。
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2006年よりスタートし、今回で5回目となる「クリエイター 100人からの年賀状」展。
今回の展示会ではクリエイターが私的に、もしくは公的に制作される年賀状を入手、そのデザインと用紙のマッチングの妙をクローズアップ。
個性豊かな年賀状の世界が楽しめます。
- 公式サイト
- http://www.takeo.co.jp/site/event/central/201001.html
- 会場
- 株式会社 竹尾 見本帖本店
- 会期
- 2010年1月18日(月)~2010年2月19日(金)
- 休館日
- 土曜日、日曜日、祝祭日
- 開館時間
- 午前10時~午後7時 ※1月18日(月)は午後5時まで
- 観覧料
- 入場無料
グラフィックデザイナーの仕事の仕方などあまり話題にならないけど、他の人がこのことに関してどう考えているかは気になります。そこで、Charlie B. Johnsonさんの面白い記事を見つけたのでご紹介。
以下、『グラフィックデザイナーにとって、効果絶大・簡単で短時間で出来る10の秘訣』の意訳です。
- 抱えている案件をリストアップして、優先順位を付けまる。
- 進んでいない案件を終わらせましょう。新規案件を受ける時は、未納案件のことを考える。
- 24時間のうちに集中できる時間は限らている。仕事の内容を考慮して、力を入れるところは入れて、抜くところは抜く。時間の配分を大切にする。
- 十分に時間を取ってお昼をとったり、仮眠をしたり、軽く散歩に出たりして、気分転換をはかる。
- 案件ごとに、掛ける時間を決めて仕事をする。
- ソーシャル・ネットワーキング・サービスをしだすと時間を忘れがちに。前もって時間を決めて利用する。
- 大きな一つの案件にだけ集中せずに、間に小さな案件を入れながら進める。
- 習得したスキルやアイデアを常にリストアップして、仕事に生かす。そうすれば、仕事もスムーズに進められる。
- 電子メールのチェックは時間を決めて定期的にする。
- 適度に体を動かしたり、食事に気を付けたりして、健康管理をする。
ここに書かれていることが全てはないけれども、わかっているけど出来ないことや、普段気がつかないことがリストアップされていると思います。
10 Tips for Graphic Designers to do BIG wonders in short time!!
レイアウトに関して、自分が身に付けてきたことを再確認しようと思って買った本。「グリッド」デザインをベースにレイアウトデザインのルールを多くの事例をあわせて解説している。そしてそのルールを破り、新たな表現をする事例など、その内容は幅広い。
間の取り方など、迷った時にはこの本を読みかえしています。多くの作例が多く載っているので、何気にめくって見るだけでも楽しい一冊。
- 著者
- ティモシー・サマラ
- 出版社
- 毎日コミュニケーションズ
- 発売日
- 2004年3月
1987年にリリースされた、元ジャパンのヴォーカリスト:デイヴィッド・シルヴィアンの3枚目のアルバム。このCDのジャケット、どこかで見たことがあるような・・・と思っていたら、デザイン・ユニット“23エンベロップ(23 Envelope)”のお二人でした。
ベガーズ・バンケット傘下のレーベル「4AD」レーベルのビジュアル面を一手に引き受けていた“23エンベロップ(23 Envelope)”はグラフィックデザイナーのヴォーン・オリヴァー(Vaughan Oliver)とフォトグラファーのナイジェル・グリーアソン(Nigel Grierson)が結成したデザイン・ユニット。1980年代初頭には、コクトー・ツインズやディス・モータル・コイル、ブルガリアン・ヴォイスなどのアート・ワークを手掛け、退廃的な音と耽美的なデザインで注目されていた。
この『Secrets of the Beehive』は、二人が袂を分かつ1987年にリリースされているので、「4AD」レーベルからの発売ではないけど、23エンベロップとして、最後の作品に近い時期にあたる。デイヴィッド・シルヴィアンの音楽も完成度が高く、すばらしい。そんな彼の叙事詩にふさわしいアート・ワークを観ていると、グラフィックと音楽のイメージの一致がいかに重要であり、なおかつ困難な作業であることを再確認させられる。
- アートワーク
- 23 Envelope – Wikipedia
- デザイナー
- Vaughan Oliver
Vaughan Oliver – Wikipedia
- 参考サイト
- Secrets of the Beehive – Wikipedia
- 発表
- 1987年11月