ファッションの技法 : 山田 登世子 | ファッション
フランス文学者の山田 登世子さんによるファッション論。
ファッションにおいて「見せる」と「隠す」はよく取り上げられる話題の一つだと思う。そして、この「見せる・隠す」の機能は「性」と強く結びついている。このファッションと性の関係性を実際のデザイナーのコレクションと現代の思想を用いてわかりやすく述べられている感慨深い一冊。
「あらゆる意味での無内容こそモードの本質である。生真面目なものはみな内容のあるものだ。それに対してファッションは無内容だからこそ、それを愚弄することになるのである。そう、ファッションは無内容。それは、根っから≪空虚≫なものだ。ファッションは、すべて≪深さ≫というものを欠いている。」という一節は特に興味深い示唆で、ファッションの本質がここにあることをあらためて確認させられた。
ファッションの技法 (講談社現代新書―ジュネス)
講談社 1997-09 |
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- ファッションの技法 山田登世子 講談社
- 著者
- 山田 登世子
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 1997年9月