電子思考へ…―デジタルデザイン、迷想の机上 : 戸田 ツトム | デザイン
造本装幀・雑誌ディレクション・CG・テレビ番組製作など多角的に活動しているグラフィックデザイナー戸田ツトムさんのデザイン論。戸田さんの作品にみられるように斬新でポストモダンな一冊。
1980年代の終わりごろ、印刷業界では手動写植から電算写植そしてDTPへと移行しつつあり、その後の「失われた10年」の時期で、DTP化が進み、写植に取って代わろうとしていた。そのような時代に戸田ツトムさんはデジタル技術をブックデザインに取り入れて、多くの素晴らしい作品を世に送り出していた。この本はコンピュータがまだ開発途上で未熟だった時期に、創作活動をしながら電子機器と戯れる様子が書くというより描かれている。
「奇妙な遠近法の空間が展開されてるモニター画面」「アイコンをポインターで操作するときの触感」など、今となっては当たり前のことで、疑問にも感じなくなった感覚が、この書物の中ではポストモダンな言説とともに開陳されている。
この著作はDTP黎明期のグラフィックデザイン界を知る重要な資料の一つである。
電子思考へ…―デジタルデザイン、迷想の机上
日本経済新聞社 2001-05 |
- 公式サイト
- デジタルデザイン、迷想の机上 – 戸田ツトム
- 著者
- 戸田 ツトム
- 出版社
- 日本経済新聞社
- 発売日
- 2001年5月