猫派か犬派かと問われれば、どちらでも好きだし、哺乳類、爬虫類問わず、生き物は好きで動物園も好みの場所である。
『猫除け詩集』という題名を見たとき、「猫じゃらし詩集」と誤って読んでしまった。子供のころは、よく猫じゃらしで遊んだ。冷え性の者にとっては、動物の尾っぽに似たあの暖かそうな花穂が心をホカホカと温めてくれる。
古畑智子さんによる写真は詩の添え物というより、詩の文字と写真あわせて詩集となっており、切り離せない関係をなしている。そして、さとうゆきさんの詩が持つ柔らかい文体の中にも哲学的で宗教的な空気感により、写真に映し出された猫たちが神父や僧侶、思想家に見えてくる。何とも不可思議な感覚がこの詩集には漂っている…。
猫じゃらしで猫と戯れたくなる一冊。
- 著者
- さとうゆき
- 写真
- 古畑智子
- 出版社
- 創樹社
- 発売日
- 2000年7月25日
デジタルデバイスの時代において、絵本の存在が気になります。
以下、公式サイトより抜粋
本展は、いわゆる絵本という枠組を拡げ “見る本” という視点から、日本デザインコミッティーのメンバーが、自らすすんで、また、心からすすんで手にした、heart & art の “絵本” を取り上げます。
“絵本” とのささやかな経験は、脳をリラックスさせたり、感性をインスパイヤされたり、心に何かリスペクトを抱くものではないかと思います。
- 公式サイト
-
- 会場
-
- 会期
-
- 2012年7月18日(水)~2012年8月6日(月)
- 休館日
-
- 開館時間
-
- 観覧料
-
ZOAのミニアルバム。音とカバーアートがこれほどマッチしてる作品もめずらしいと思う。プログレシッブで和洋折衷、そんな楽曲にふさわしく、秋田和徳さんがデザインした絵の中には、多種多様なモチーフが混在している。
ジャケットには炎の中に様々なモチーフが散りばめられている。水墨画のような鳥居、壁画に描かれたような観音様、琳派を思わせるユリの花、洋風の人面太陽、フラ・アンジェリコが描いたような大天使ガブリエル…。このカオス状態の表側とは裏腹に、見開いた内側は、表側で配置されていたユリの花が紙面の中心に置かれている。そこには柔らかな光がこの花を照らして、静寂さを際立たせている。表が地獄で、裏が天国を表しているのか…。
蛇腹折りのインナースリーブに目を向けると、そこにも和と洋が計画的に混在している。要所要所に用いられている篆書体。漢字と平仮名、ギャラモンと思われるアルファベットとの混在。古紙のようなマテリアル。表罫線と裏罫線とを組み合わせた囲み罫…。
ただ、音を聴いて、ジャケットを眺めるだけ…。言葉では表せない一枚。
- Cover Design
-
- 参考サイト
-
- 発表
- 2000年5月20日
毎年7月に開催される恒例の展覧会ですね。今年もどんな作品が選出されているのか楽しみです。
以下、公式サイトより抜粋
今年も、2011年5月から2012年4月までの1年間に発表されたポスター、新聞・雑誌広告、エディトリアルデザイン、パッケージ、CI・マーク&ロゴ、テレビコマーシャルなど多様なジャンルからの約8,500点の応募作品の中から、77名のADC会員によって厳正な審査が行われ、広告、グラフィック作品の最高峰ともいえるADC賞が選ばれました。ADC(正式名称:東京アートディレクターズクラブ)は、1952年の創立以来、日本の広告・デザインを牽引する活動を続けており、ADC賞は、その年の日本の広告・デザイン界の最も名誉あるものの一つとして注目を集めるものです。
ここで選び抜かれた受賞作品、優秀作品を、11月末の『ADC年鑑』(美術出版社刊)刊行に先駆け、クリエイションギャラリーG8[一般(非会員)作品]とギンザ・グラフィック・ギャラリー[会員作品]の両会場でご紹介いたします。
- 公式サイト
-
- 会場
-
- 会期
-
- 2012年7月4日(水)~2012年7月28日(土)
- 休館日
-
- 開館時間
-
- 観覧料
-
- 参考サイト
-
ケイト・ブッシュの6枚目のスタジオ・アルバムで、作品のクオリティもセールス良好だった。参加したメンバーもブルガリアン・ヴォイスの三人やヴァイオリニストのナイジェル・ケネディ、そして今は亡き伝説のベーシストミック・カーンと異色のミュージシャンたちがクレジットされている。
モノクロの写真のポートレートが印象的なこの写真を撮影したのは、ケイト・ブッシュのお兄さんで作家であり写真家のJohn Carder Bush。写真家として彼の作品は多く見られないが、この『The Sensual World』のジャケット写真は素晴らしい。薔薇の花で隠されたケイト・ブッシュの口元が、彼女のセンシティブな部分を表現し、見開いた目はフランスの詩人アルチュール・ランボーのような見者の勇気を彷彿とさせる。この力強さと内に秘めた優しさは、薔薇のように美しく刺々しい。
John Carder Bushの写真に金色でアルバムタイトルとアーティスト名が上品なデザインフォントで配置されたデザインは、このとてもシンプルな構成により、このポートレートを引き立てている。これは、数多くのアルバムジャケットを手掛けているBill Smith Studioによるもので、その完成度の高さが頷ける。
- Photography
-
- Design
-
- 参考サイト
-
- 発表
- 1989年10月16日
現在における日本のグラフィックデザインを一望できる展覧会に足を運んでみませんか。
以下、公式サイトより抜粋
アジア最大級のデザイン団体・日本グラフィックデザイナー協会が毎年発行しているデザイン年鑑『Graphic Design In Japan』。2012年版の発行を記念して、掲載作品の中から約300点を実物と映像で展示します。身近な雑貨から、書籍、商品パッケージ、シンボル・ロゴ、ポスター、ウェブサイト、映像、展覧会やショップの空間デザイン、複数のカテゴリーをまたいだ広告のプロジェクトに至るまで、世界に誇る日本のグラフィックデザインの現在を、ぜひご覧ください。
- 公式サイト
-
- 会場
-
- 会期
-
- 2012年6月22日(金)~2012年7月29日(日)
- 休館日
-
- 開館時間
-
- 観覧料
-
スマートフォンが急速に進み、HTML5も多くのブラウザが対応するようなったことで、ワンソースで全デバイスに対応したページを作りたいと思っている人は多いと思う。そして、ネット上のいろんな情報を参考にしながら、CSSやJavaScript、CGIを巧みに使って、試行錯誤しながら作っていることだろう。
この書籍はワンソースで全デバイスに対応したページが表示されるように作る「レスポンシブ・ウェブデザイン」について、その情報をきれいに整理して書かれている。そして、この本のいいところは、技術的な手法だけでなく、レスポンシブ・ウェブデザインでサイトを制作するにあたっての進め方まで記載されていることである。実際に、技術的な面も重要だけど、設計段階で熟慮して進めることも大切で、これを怠ると、そのサイトは不良品というレッテルを押されることになる。余談だが、緻密にレイアウト設計し、的確な技術で実装しても、出来上がった制作物にデザイン的な魅力が無くては駄目だと思う。そんな中、カネボウ化粧品のサイトは素晴らしい(2012年6月)と思った。
この書籍の「はじめに」で書かれている「スマートフォンやタブレット端末の登場により、今Webの世界が変わろうとしています。これまでインターネットに接続しWebサイトを閲覧可能だったPCや携帯電話だけを相手にすればよい時代は、いよいよ終わりを告げるかもしれません。」という冒頭の一文は、制作の現場でスマートフォンサイトの案件が増えていることを考えると、そのまま現実になっているようである。
2012年度において、Webデザインに関してためになる一冊。
- 公式サイト
- レスポンシブ・ウェブデザイン標準ガイド
- 著者
- こもりまさあき – gaspanik weblog
- 出版社
- 株式会社エムディエヌコーポレーション
- 発売日
- 2012年5月25日
ベルリンで出版社「hesign」を運営しているグラフィックデザイナーのジヤンピン・へ。活動の拠点はヨーロッパだけど、中国出身ということもあり、漢字を用いたアートワークも多い。
以下、公式サイトより抜粋
ジヤンピン・への作品は、アジア的な気配を残しながらも、ヨーロッパ的なコンセプチュアルな感覚を持ち、写真と文字を組み合わせた斬新で、強く、美しい視覚言語には、深い思索が満ち溢れています。
今回の展覧会では、「フラッシュバック」(ふと振り返ると)をキーワードに、ジヤンピン・への15年間の仕事から厳選された50数点のポスターとブックデザインを一堂にご紹介します。
- 公式サイト
-
- 会場
-
- 会期
-
- 2012年6月5日(火)~2012年6月28日(木)
- 休館日
-
- 開館時間
-
- 観覧料
-
- 参考サイト
-
イラストレーターのみなさんが「食」というキーワードに対して、どのような「生活の句読点」を送っているのかを垣間見ることが出来そうですね。
以下、公式サイトより抜粋
今回は、たばこと塩の博物館のもう1つの柱である「塩」に着目して、「食」をテーマにしました。題して「わたしの句読点2〈食いろいろ〉」。このテーマに171人のTISメンバーが参加いたします。「食」というお題をどう料理するかはイラストレーター・シェフの腕次第!どうぞお楽しみに。
- 公式サイト
-
- 会場
-
- 会期
-
- 2012年5月19日(土)~2012年7月1日(日)
- 休館日
-
- 開館時間
-
- 観覧料
-
- 一般・大学生:100円(20名以上の団体料金:50円)
- 小・中・高校生:50円 (20名以上の団体料金:20円)
- 満70歳以上の方:無料(要証明書)
- 参考サイト
-
ヴォーカルであるシャーデー・アデュの甘美な写真を前面に押し出し、余分なものをそぎ落としたデザインが印象的なシャーデーの四枚目のアルバム。至高の愛に生身の体以外に何もいらないことを、このジャケットは僕たちに再認識させてくれる。
この写真を撮影したのは、スコットランド出身の写真家アルバート・ワトソン。GQ、ハーパースバザーやヴォーグなど数多くの著名な雑誌で活躍している彼のポートレート写真には、被写体の人格がおもむろに表れている。内面的に物静かな人、神秘的な人、心優しい人、快活な人、内に野心を秘めた人…。その人それぞれの内面が彼のポートレート写真を見ると伝わってくる。この『Love Deluxe』のジャケット写真も、そんな彼の写真の一枚である。
甘美的な姿に秘められた躍動感みなぎる静寂な情熱が、アルバート・ワトソンの写し撮ったシャーデー・アデュから感じられる。そして、この写真はこのアルバムに収められた曲そのものを、僕たちに目に見える形で伝えてくれている。
- Photography
-
- Design
-
- 参考サイト
-
- 発表
- 1992年11月11日