韓国で人気の芸能雑誌といえば『JUNIOR』だけど、この『FAST』のほうがファッショナブルで、韓国のリアルな文化を紹介してくれているように思う。
デザインの基本をしっかりと守り、それを土台にレイアウトされた紙面には作り手の熱い思いも伝わってくる。それは大金を払って作られるアメリカ誌のクオリティより、資金面で有利になれないが故にデザインアイデアで勝負するイギリス誌のクオリティに近い。今号のカバーは韓国の俳優でミュージシャンのNo Min Wooで、彼を起用したシューティングのページも含めて、ハングルが読めなくても写真を見ているだけも楽しめる。『FAST』のような韓国の良質な雑誌を見ていると、ハングルという文字はグラフィカルなデザインに相応しいと思えてくる。
韓国では毎月発行されいる『FAST』の日本版が第一号しか出版されていないことは残念である。『FAST』のような質の高い雑誌をもっと多くの人に見てもらいたい、と思った。
- 公式サイト
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- 参考サイト
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- 出版社
- PLAYS MEDIA
- 発売日
- 2012年11月5日
「手間」と「ひま」というコンビニエンスな現代の感覚とは相反する言葉がキーワードとなっている展覧会。ライフスタイルの新しいカタチを見つける切っ掛けになりそうな予感がします。
以下、公式サイトより抜粋
本展は、東日本大震災を受け昨年7月に開催した特別企画「東北の底力、心と光。 『衣』、三宅一生。」に続き、三宅一生とともに21_21 DESIGN SIGHTのディレクターを務める、グラフィックデザイナー 佐藤 卓とプロダクトデザイナー 深澤直人の視点から、東北の「食と住」に焦点を当てるものです。
- 公式サイト
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- 会場
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- 会期
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- 2012年4月27日(金)~2012年8月26日(日)
- 休館日
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- 開館時間
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- 観覧料
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- 一般1,000円、大学生800円、中高生500円、小学生以下無料
日本で日常的に使われている日用品が365点。中にははじめて見る物もあり、ちょっとした発見も。
以下、公式サイトより抜粋
日本人の暮らしに寄りそう日用品。その良さや多様性を、もっと国内外の人に知ってほしい。作った人の手の温度を親密に伝えたい。「365日 Charming Everyday Things」(“サンロクゴ” という愛称でお呼びください)はそんな、素朴で切実な想いから生まれたプロジェクトです。
- 公式サイト
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- 会場
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- 会期
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- 2012年3月22日(日)~2012年3月25日(日)
- 休館日
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- 開館時間
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- 観覧料
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2009年10月に自らの命を絶った、加藤和彦さんの特集。
きたやまおさむ、高橋幸宏、小原礼、小田和正、細野晴臣、サエキけんぞう・・・親しい友人たちの特別な思いが語られているけど、中でも立花ハジメさんによる詩のような追悼文が印象的でした。サディスティック・ミカ・バンドのファーストアルバムのジャケット・デザインを手掛けた「WORKSHOP MU!!」でのエピソードが書かれていたりして、思い出話が中心だけど、ここには筆を進めることが辛そうな文面に、目に見えない悲しい心が表れている。「孤独」「不毛」「不条理」。「世の中は音楽なんて必要としていない」という遺書の一文にも見られるように、これらの言葉は、加藤和彦さんのメランコリックな作品の闇の部分を表現するキーワードとなっている。
この本に掲載されている加藤和彦さんのエッセイ『Dear an audience』に聖なるものに関する記述がある。
「二度とないもの、起こらないものにこそ、聖なるものが宿り、そこになにかが生まれる」
偶然と幸運によって成り立っている創造力が持続できなくなったとき、アーティストは悲劇的な結末を迎えざるを得ないのであろうか。
- 公式サイト
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- 出版社
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- 参考サイト
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- 発売日
- 2010年2月25日
「素材美(個々の素材が潜在的に合わせ持つ色彩美や造形美)を活かすことこそデザインの極致」とオフィシャルサイトで謳われているように、オールステンレス一体構造包丁の「GLOBAL」はこのコンセプトで一気通貫されて作られている。だからGLOBAL包丁のデザインは、美しく、時代を超越している。このことは、明確なコンセプトをブレることなく成し遂げることで、上質なものを世に送ることができた成功例の一つと言える。
我が家では文化包丁とパン切りの二つを使用している。使い始めてからちょうど10年経つが、包丁の重要な機能である「切れ味」は衰えることなく、手に持った時の質感は料理をする楽しみをより豊かにしてくれる。
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- 参考サイト
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- 発売日
- 1983年

昨年は東北地方太平洋沖地震があり、2012年の年賀状に「謹賀新年」や「あけましておめでとう」という言葉を書かない人も多かったと思う。逆に、沈んだ気持ちを持ち上げるために、いつもよりもお金をかけて年賀状を作った人もいる。しかし、右往左往することなく、平生の心でいることで、見えなかった現状が見えてくるものである。ここで今一度、状況を再確認しててみてはどうだろう。
セブンチェアは、デンマークの建築家アルネ・ヤコブセンの代表作の一つで、アントチェア(アリンコチェア)の後継モデルとして作られた。製造元であるフリッツ・ハンセンの公式サイトで「セブンチェアは、フリッツ・ハンセンのコレクションにおいて最も幅広く展開されているチェアです。」とあるように、オフィスやレストランでも目することが多い。多くの人に親しまれているいるが故に、コピー製品も多いいけど、その多くが粗悪品で、一目で偽物とわかる。
定番色のブラック、ホワイト、ビーチの他にカラー展開もされており、レザーや毛皮などの素材を用いたものや、アームやキャスターが付いたものなどバリエーションも多い。筆者のリビングにはナチュラルビーチ色のセブンチェアが二脚あるが、それぞれ木目が異なり個性が感じられる。成型加工された合板の曲線は美しく、包み込まれるような座り心地も申し分ない。
デザインと機能性が見事にマッチし、完成度のきわめて高いセブンチェア。是非とも、本物を購入して、その品質を存分に味わってほしいと思う。
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- 発売日
- 1955年
2005年56才で他界された佐々木敏光さんの代表作。イーチェアは2001年グッドデザイン賞を受賞しているが、それ以前に、天童木工からT-5623WB-ST キッズチェアとして販売されている。原型は、オランダ生まれのアーティストが孫のために書いてあげた絵本に刺激を受け、「自分も子供に何か作ってあげたい、せっかくなら複合機能を持たせたほうが楽しいだろう」との発想から誕生したらしい。
子どもの誕生にあわせて購入した椅子だけど、筆者も、今まさにこの椅子に座りながらキーボードを打っており、この椅子に座ることは多い。座り心地は勿論のこと、素材の質感もよく、たまに緩んだネジを締めたり、拭き掃除をしたりと手入れをするたびに愛着がわく。買った当初は木馬にしてみたりもしたが、子どもが大きくなった今、木馬にすることはなくなったものの、こうして幼い子どもから大人まで使える椅子として素晴らしいデザインである。この椅子が多くの人に長年親しまれていることを、座るたびに実感させられる。
筆者が購入した当時とは時代も変わり、現在のイーチェアはさらに進化し、佐々木デザインインターナショナル株式会社からNew BAMBINI(ニューバンビーニ)として展開されている。佐々木敏光さんがデザインしたこの椅子は、これからも末永く筆者のリビングに不可欠なアイテムになるだろう。
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