写真はヴェルサーチの2010年春物コレクション。ジュリアナ東京のお立ち台で踊っていた女の子を思い出しました。その昔、J&RやPinky&DianneなどのDCブランドもボディコンで流行っていたけど、今ではJ&Rは休眠し、ヴェルサーチは日本の市場から撤退している。時の流れを感じますが、このテイスト、再び流行ってほしいです。
以下、ヴォーグのポータルサイト『Style.com』より意訳。
今シーズンは多くのプリント柄が出てきた。ドリス・ヴァン・ノッテンとドナテッラ・ヴェルサーチのようなデザイナーがそれぞれの個性を出し、頭の先から爪先までマッチングさせている。
そして、伝統的な花柄プリントでは、エトロ、アナ・スイやトリバーチに、美しい柄が多く見られた。
デュロ・オロウのナイジェリアのモチーフおよびジバンシーのデジタル柄はものすごくインパクトがあった。
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ギャラリー・エフ恒例の新春企画展です。
1月12日より2週間づつ、5つのPartに分かれて、約100人のイラストレーターが共通のテーマに沿って一点づつ出品するこの企画。今年のテーマは「Hello,Goodbye(出会いと別れ)」です。
- 公式サイト
- http://www.tokyo-ef.com/gallery_ef/exhibition/exhibition.htm
- 会場
- GALLERY EF
- 会期
- PART.1 : 2010年1月12日(火)~2010年1月22日(金)
PART.2 : 2010年1月25日(月)~2010年2月5日(金)
PART.3 : 2010年2月8日(月)~2010年2月19日(金)
PART.4 : 2010年2月22日(月)~2010年3月5日(金)
PART.5 : 2010年3月8日(月)~2010年3月19日(金)
- 休館日
- 日曜
- 開館時間
- 午前11時~午後7時
(土曜・祭日は4時30分まで)
- 観覧料
- 入場無料
2001年にイギリスの黒人デザイナーオズワルド・ボーテング(OZWARD BOATENG)と仕事をしているときに、彼のポリシーを幾つか聞かされた。
まず一つ目は「財布を持たない」。オズワルドはトミー・ナッター(ローリングストーンズやビートルズ等のスーツを手がけた)のもとで修業をしたテーラードが得意なデザイナーで、彼の仕立てたスーツも多くのミュージシャンたちに愛用されている。確かに彼のスーツはシルエットが美しい。オズワルド自身、長身で均整のとれた体つきをしており、自分のスーツをかっこよく着こなす。そして、彼は自分のスーツを着る時にはポケットに何も入れてはいけないと言う。なぜなら、スーツのシルエットが変わるからだそうだ。なるほど、この美しいシルエットを保つためにはポケットに何も入れないほうがいいだろう。
彼自身もポケットに何も入れていない。さらに、彼の場合は鞄も持たない。荷物は荷物持ちが持つからだそうだ。彼の家はガーナー系の黒人一家だが、金持ちで、いわゆるブルジョワ階級だった。鞄は持たないけど、財布くらい持つだろう、と聞いたところ、オズワルドは財布持たないと言った。なぜなら、お金は他人に払ってもらうからだそうだ。
オズワルドのポリシー二つ目は、「白いスーツを着ない」ことだった。オズワルドのデザインしたスーツやシャツはビビッドな色が多い。それは、紫やオレンジなど発色のいい色は、彼の黒い肌によく合うからである。しかし、日本人にはこの派手な色のスーツは売れない。紺やグレー以外で遊びで着るスーツの色は生成りや白が売れる。そこで、彼に白いスーツを提案したところNGだった。なぜかと言えば、黒人が白いスーツを着ることは奴隷を意味するからだそうだ。なるほど、これまで意識したことはないが、確かにマネやピカソの絵画に出てくる奴隷は白い服を着ている。
海外でバイイングをしていると、彼らの文化や人種と日本のそれとのギャップを感じることがある。レディースのニットやカットソーをピックアップしていると、欧米人からベージュをよく勧められる。白人の女性は春夏に素肌にベージュをよく身に付けるが、彼らの出すベージュの色目は黄色人種の肌の色に近く、これを素肌に着ると一瞬、何も身に付けていないように見える。欧米でポピュラーな色が、日本では必ずしも一般的になるわけではない。計測された数値上では同じ色でも、人種や宗教、住む場所の気候などで色の見え方は大きく変わってくることもある。
文化によって色の意味合いが異なることもあるが、色の語源となると洋の東西で共通点もみられる。例えば、「赤」「red」の語源はどちらも人の血に関連している。「赤」は人身御供の儀式の様子が語源あり、「red」はサンスクリットで「血」に関連した語である「rudiras」をその語源としている。日本語の「アオ」は藍(アヰ)に由来し、英語の「blue」は古代ゲルマン語で藍色を表す「blao」を語源としている。「黒」と「black」の語源はともに燃えることに関連していて、「黒」は火を焚く場所の天井や煙突に、すすが点々とついている様子をあらわし、「black」はラテン語で火をあらわす「flamma」から派生したもので燃えかすの色を意味している。
このように色彩は人間の文化にも多種多様な影響を与え続けている。
参考文献:『色彩の世界地図』21世紀研究会編、文春新書
美術の教科書にも掲載されてる、有名なラスコー壁画。彼はこの著作の中でラスコ-の壁画を労働という有用な活動と結び付いた芸術の誕生の証拠として取り上げ、これらの絵の中に「動物たちを愛しながら、殺した」という先史人たちの心理を、彼独自の思想で展開している。
遊びと労働、その間に挟まれている芸術…という議論はバタイユにまかせるとして、グラフィック・デザインの役割であるヴィジュアル・コミュニケーションの視点から、この壁画を見ると面白いと思う。アンリ・ブルイユ神父みたいに「この壁画が呪術的意図(有益な活動としての芸術活動)を表わしている」としても、バタイユの言うように「ラスコ-の壁画を遊びの証拠」と見るとしても、先史人たちはヴィジュアル表現で視覚伝達していたことには変わりない。
経済や政治、教育が大きく変わろうとしている2010年。デザインやアートを社会の中でどうかかわらせていくか。、ビジュアルコミュニケーションの原点を見詰め直すうえで重要な一冊。
- 公式サイト
- ジョルジュ・バタイユ著作集 ラスコーの壁画
- 著者
- ジョルジュ・バタイユ
- 翻訳
- 出口 裕弘
- 出版社
- 二見書房
- 発売日
- 1975年1月
世界中のストリートに貼られて有名になったオバマ大統領に「HOPE」の一文字を配したポスター。HOPEポスターだけで最終的に3000万枚を売り上げたそうである。そのポスターを制作したシェパード・フェアリーがデザインした「レッド ツェッペリン」のアルバム・カバー。フェアリーはアメリカの街角にポスターを貼って何度も逮捕されていて、アート界のさまざまなルールばかりか、社会のルールも破って身体を張って活動している。
そんな彼のこの作品は、「あらゆるものを疑え」という彼のスローガンにあるように、権力や階級社会、官僚政治に疑問符を投げかけているように思える。
Mothership
- デザイナー
- Shepard Fairey – Wikipedia, the free encyclopedia
- 発表
- 2007年11月
ラフィアヤシで飾られたドレス、離宮ル・プチ・トリアノンで過ごしたマリ・アントワネットにふさわしいスカート、シャネルのコレクションで、カール・ラガーフェルドは牧草を敷いた会場で素朴な郊外をイメージしたショーを見せた。
しかし、ラガーフェルドの他にも、クリストファー・ケインのギンガムチェック、ボッテガ・べネタの子供用エプロン、そしてオスカー・デ・ラ・レンタの優雅で格式のある刺繍の入ったホームスパンなど、この春ピクニックには打って付けのアイテムが見られた。
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芸術工学って何だろう?
あの企業が・・・、あの商品が・・・。
社会や企業が「芸術工学」の魅力を活用してユニークな成果を生み出しています。
実は意外と身近なところに隠れている・・・
ちょっと気になる芸術工学の驚きと楽しみを体験してみませんか。
- 公式サイト
- http://www.designhub.jp/exhibition_20.html
- 会場
- 東京ミッドタウン・デザインハブ
- 会期
- 2010年1月23日(月)~2010年2月14日(土)
- 休館日
- 期間中無休
- 開館時間
- 午前11時~午後7時
- 観覧料
- 入場無料
仕事をするうえで重要なことの一つに「お金」がある。しかし、デザインの仕事において、制作見積金額を算出する明確な基準はない。ページ単価や人日、あるいはその時々にお客さんの顔色を見てなど様々で、ページ単価や人日の業界としての基準も曖昧である。
しかし、デザインという仕事においてはそれでいいと思う。なぜなら、デザインは誰が手掛けても同じではなく、そこには制作者の知名度や感性、スキルの差があるからです。とはいうものの、制作者と発注依頼者が協議して決めるための算定基準のルール「デザイン制作料の公正なモノサシ」は必要だと思う。そこで、日本グラフィックデザイナー協会による制作料金算定基準をもとに簡略化し、そのエッセンスをご紹介。
制作料金の算出式の基本は
制作料金=作業料+付加価値料+支出経費
- 作業料
- 時間料金 [ 平均年収×1/12(月収)×1/165(月当たり標準労働時間数)×2(標準人件費比率50%として)] をもとに制作者の作業スピードを加味して算出。急ぎの案件は20%up、特殊な案件は10~50%up
- 付加価値料
- 発行部数の大小や制作者の知名度等によって算出。
- 支出経費
- 制作のために実際に支出する経費(外注費、材料費、ロケ出張費、交通費、打ち合わせ等に伴う雑費、通信費など)
日本グラフィックデザイナー協会による制作料金算定基準では、作業料をabに分けたり、付帯作業料、プレゼンテーション料、バリエーション料、リ・サイズ料、リピート料などの詳しい記述がある。厳密に制作料金を算出したいときは、これを参照にしてください。
また、案件を受注する際に契約書を交わすことは、お客様との信頼関係を保つためにも重要だと思う。仕事を受けるときには、納品書・請求書はもちろん、業務請負契約書あるいは受注書も交わしておきたい。
日本グラフィックデザイナー協会による制作料金算定基準
人類学者テッド・ポレマス (Ted Polhemus)が1996年に書いた『streetstlye』の翻訳です。彼はアメリカ人だけどイギリス人みたいな感覚で書かれていて、ストリートに根付いてムーブメントになったものを、著名なデザイナーがモードに取り入れる、その手法を多くの図版をまじえて紹介している。
1940年代のズーティー、ザズー、ウエスタン・スタイル、バイカー、ヒップスター、ビート族。1950年代のテディボーイ、モダニスト、ロカビリー、サーファー。1960年代のモッズ、ロッカーズ、ルードボーイ、サイケデリックス、ヒッピー、スキンヘッズ。1970年代のファンク、グラム、ソウル、スケーター、パンク、ニューロマンティクス。1980年代のゴス、サイコビリー、パーヴス、B-ボーイ、レイヴァー。1990年代のアシッド・ジャズ、サイバーパンク…。アメリカから日本のファッションまで、見ているだけも楽しめる。
素敵なファッションはと音楽やカルチャーと結びついている。そうでないと、ただの衣服になってしまう。グラフィックデザインも同様で、カルチャーと結びついていないデザインは、ただ情報を整理しただけになってしまう。このことを実感させられる一冊。
- 著者
- テッド・ポレマス
- 翻訳
- 福田 美環子
- 出版社
- シンコーミュージック
- 発売日
- 1998年12月
グラフィックデザイン―のピーター・サヴィルによる有名なカバーアート。もともとのアイデアはバンドのドラマー、ステファン・モリスによるもので、ケンブリッジ天文百科事典に載っているパルサーPSR 1919+21のパルス波をモチーフとしている。
最近ではTシャツのプリント柄やスニーカーのソール柄などファッションの一部として取り入れられているこのデザイン。1979年のリリースだけど、そのシンプルさ故に三十年という時間を感じさせない。
- アートワーク
- Peter Saville
Peter Saville (designer) – Wikipedia
ピーター・サヴィル – Wikipedia
- 参考サイト
- Unknown Pleasures – Wikipedia
- 発表
- 1979年6月